メディアキットの作り方|インフルエンサーが案件を取るための完全ガイド
メディアキットとは、自分の活動実績・フォロワー数・読者属性・過去の案件実績をまとめた、クリエイター版の営業資料です。企業からの案件打診が来ないのは、実力不足ではなく「見せ方」の問題である場合が多く、担当者は数十秒でプロフィールを確認して次の候補に移ります。この記事では、メディアキットに入れるべき項目と、数字を古くしないための作り方を解説します。
メディアキットとは何か
メディアキットとは、自分の活動実績・フォロワー数・ターゲット層・過去の案件実績などをまとめた、クリエイター版の営業資料です。英語では "press kit" とも呼ばれ、もともとはメディア向けに企業が用意するものでしたが、インフルエンサーマーケティングが広まるにつれ、クリエイター自身が作成して企業に提示するものへと変化してきました。
1枚のスライドか、PDFか、URLか、形式は問いません。「自分が何者で、どんな読者に届いていて、どう連絡すればいいか」が一目で分かる状態、それがメディアキットの本質です。
企業の担当者は何を見ているか
筆者はLisortの開発者として、クリエイターの方から案件相談や企業とのやり取りについて話を聞く機会が定期的にあります。その中で繰り返し聞くのが、「フォロワー数だけでなく、エンゲージメント率や読者属性まで見て判断する担当者が増えている」という実感です。あくまで筆者が見聞きした範囲の傾向であり、独自の定量調査ではありませんが、担当者が確認するポイントはおおよそ次の通りです。
- ジャンルと読者の一致。自社の商材と読者層が重なるか。フォロワー50万人でも、ターゲット層が全く異なれば採用されません。
- エンゲージメント率。いいね・コメント・保存・動画視聴完了率。フォロワーが少なくても反応が厚いアカウントは高く評価されます。8,000人の熱狂的なフォロワーを持つクリエイターが80,000人の薄いフォロワーを持つクリエイターより価値があるケースは珍しくない。
- 実績の信頼性。数字が自己申告か、実際のアカウントと紐づいているか。「フォロワー数:約10万」と書かれた数字より、アカウントへのリンクから確認できる数字のほうが信頼されます。
- 連絡先と案件受付の意思。問い合わせ先が明記されているか。「気になったけど連絡方法が分からなかった」で案件が飛ぶのは一番もったいないパターンです。
メディアキットに入れるべき項目
基本情報
- 自己紹介:名前(活動名)、活動ジャンル、何を発信しているか
- アカウント一覧とフォロワー数:各SNSのリンクと現在の数字
- 活動歴:何年続けているか、主な媒体はどこか
読者属性
- 年齢層(例:20代女性が中心)
- 地域(国内比率、都市集中度など)
- 関心ジャンル(美容・育児・テック・旅行など)
インサイト画面のスクリーンショットを添付できると信頼度が上がります。
エンゲージメントデータ
- 平均いいね数・コメント数
- エンゲージメント率(いいね+コメント÷フォロワー数 × 100)
- 直近の投稿30件の平均リーチ数
過去の案件実績
- コラボしたブランド名
- 制作したコンテンツのURL or スクリーンショット
- 成果(「開始1時間でいいね1,000件」「リンクのクリック率X%」など数字付きで)
料金表・プランメニュー
- 1投稿あたりの料金、ストーリーズ・リールなど形式別の価格
- 案件受付の条件(NGジャンル、納期、掲載期間など)
連絡先
メールアドレス、もしくはDM窓口の明記。「お仕事のご依頼はこちら」と添えるだけで、担当者が躊躇なく送れます。
チェックリスト
- [ ] プロフィール写真・活動名
- [ ] 全SNSのリンクとフォロワー数(最新値)
- [ ] 読者属性(年齢・地域・関心)
- [ ] エンゲージメント率
- [ ] 過去の案件実績(あれば)
- [ ] 料金表またはお問い合わせへの誘導
- [ ] 連絡先
作成の選択肢
Canvaや PowerPoint でスライドを作る
最も一般的な方法。テンプレートが豊富で、見た目を整えやすい。ただし、フォロワー数や実績が変わるたびに手動で更新する必要があります。半年更新しないと古い数字が残り続けます。
Notionや専用テンプレートを使う
URLで共有できるため、相手に毎回ファイルを送り直す必要がない。更新も比較的楽ですが、デザインの自由度は低め。
SNS投稿表示型のプロフィールサービスを使う
投稿やフォロワー数をSNSから自動取得するタイプのサービスです。手動更新の手間がなく、企業担当者がURLを開いた瞬間に最新の数字が表示されます。「先月送ったメディアキットの数字が古くなってしまった」という問題を構造ごと解決します。
どれを選ぶべきかは、案件の頻度と自分の更新モチベーションによります。定期的に案件を取りたいなら、維持コストが低い仕組みを選んだほうが長続きします。
数字が古くなる問題
メディアキットで最もよくある失敗は、作ったきりで更新が止まることです。
半年前に作成したPDFに「フォロワー数1.2万人」と記載してあっても、今は2万人になっているかもしれません。逆に、前回の案件からフォロワーが減っていた場合、古い数字を送ることはリスクにもなります。担当者がプロフィールを確認して数字の乖離に気づいた瞬間、信頼は下がります。
最初から更新コストが低い仕組みを選んでおくと、この問題は起きにくくなります。
プロフィールURLが自動で最新のメディアキットになる
筆者が開発・運営するLisortは、InstagramやX(Twitter)、YouTubeなどのSNSアカウントを連携すると、投稿一覧とフォロワー数がプロフィールページに自動表示されるサービスです。
このURLを1本、メディアキットの代わりに企業担当者へ送れます。担当者が開くたびに最新の数字が表示されるため、「古い資料を送ってしまった」という状況が起きません。別途スライドを作るか、このURLを使うかは用途次第ですが、フォロワー数の自動表示という点では手作りのPDFでは代替しにくい部分です。
SNS投稿型プロフィールについては「SNS投稿が見えるプロフィールリンクの使い方」で詳しく解説しています。他のリンクインバイオサービスとの違いが気になる方は「リンクインバイオサービス比較」も参考にしてください。
メディアキットを作るより先にやること
メディアキットが必要になるのは、企業から「詳しく教えてください」と聞かれたとき、または自分から営業をかけるときです。それ以前の段階では、プロフィール欄に連絡先を明記し、投稿の質を上げる方が優先度は高い。
ただ、案件の打診が来てから慌てて作り始めると間に合わないこともあります。フォロワー数が少なくても、活動が見えて連絡できる状態を作っておけば、突然のチャンスに備えられます。完璧なものを目指すより、まず「送れる状態」を先に作ることをおすすめします。
よくある質問
メディアキットはPDFとURL、どちらがいいですか?
一長一短です。PDFは1つのファイルで完結し見た目を細かく調整できますが、更新のたびに作り直して送り直す必要があります。URLで共有する形式(Notionやプロフィールページなど)は、開くたびに最新の状態を見せられる代わりに、デザインの自由度は下がります。更新頻度と手間のどちらを優先するかで選んでください。
エンゲージメント率はどう計算すればいいですか?
一般的には「(いいね数+コメント数)÷フォロワー数×100」で計算します。投稿形式によって計算式が変わる場合もあるため、複数の投稿の平均を使うと実態に近い数字になります。
フォロワー数が少なくてもメディアキットは作るべきですか?
作っておくことをおすすめします。企業側は必ずしもフォロワー数の多さだけで判断するわけではなく、読者属性やエンゲージメント率を重視するケースもあります。「送れる状態」を先に用意しておくことに意味があります。
案件相談の際にプロフィールをどう見せるかについては、インスタのリンクまとめ完全ガイドやリンクまとめサービス比較10選もあわせてご覧ください。運営者情報はこちら。